真田幸村と真田十勇士の活躍は江戸時代中期に創作された
明治時代に真田十勇士の物語が確立し、現在に至る
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実は真田幸村という人物や真田十勇士という忍者軍団は架空のものであり実在した人々ではありません。 真田幸村や真田十勇士が活躍する物語の原形は、江戸時代中期頃に大坂で作られた「真田三代記」や「難波戦記」といった小説であると言われています。
真田幸村のモデルになった真田信繁を輩出した真田氏は、戦国時代において武田・上杉・北条・織田・豊臣・徳川など大勢力が争う国境近くに領地を持っていた影響で、歴史の様々な重要な場面に登場し、さらに信繁は大坂の役での活躍が世間から注目を浴び、その生き様は史実においてもドラマチックなものになっています。
江戸時代の作家が、その様な真田氏の魅力に目を付け、史実に味付けをして壮大なフィクションとして物語を作り、世に送り出したのが、「難波戦記」や「真田三代記」です。 そして、それらから派生した複数の真田関連の作品は講談や舞台などで演じられるようになり、全国に広まりました。
1911(明治44)年5月、大阪の立川文明堂から「立川文庫」という文庫本のシリーズの発刊が開始されました。 そして、大正に変わらないうちに真田が登場する作品としては第1作である第五編「真田幸村」が発刊されました。 これは、江戸時代中期頃に作られた「真田三代記」や「難波戦記」といった小説をベースにして、真田幸村の家臣として華麗に忍術を扱う真田十勇士などを登場させた小説で、この後この「立川文庫」から数多くの真田小説が世に送り出されました。
真田昌幸の二男として真田幸村が登場し、幸村を主とする真田十勇士が活躍します。 大坂の陣が近づく頃には、幸村に加え、息子の大助も物語に登場します。 真田十勇士のメンバーは猿飛佐助・霧隠才蔵・穴山小助・海野六郎・筧十蔵・根津甚八・三好為三入道・三好清海入道・望月六郎・由利鎌之助です。 小説の主なストーリーは、武田氏のもとで生き残ってきた真田氏が、真田氏と真田十勇士が対立している徳川氏やその家臣達と駆け引きを行っていきながら、関ヶ原で激突し、九度山に幽閉されて、最終的に大坂の役で激戦を展開する場面につながっていくというものです。
1913(大正2)年、真田十勇士のキャラクターをメインにした作品の第1弾である第四十編「猿飛佐助」が発刊されました。 これは、今で言うスピンオフ作品ですね。
立川文庫シリーズは約200編を世に送り出しましたが、大正末期に発刊が終了されました。
戦後になっても真田の人気は衰えることなく、真田幸村や真田十勇士の活躍は、様々な小説・マンガ・アニメ・映画によって描かれるに至っています。
昭和時代になって作家である池波正太郎により「真田太平記」という小説が執筆され出版されました。 真田太平記はベストセラーになり、NHKで連続テレビドラマ化(大河ドラマではない)されました。 真田氏と真田十勇士の人気が再び高まりました。
真田十勇士は架空のキャラクターであり、明治から発刊が始まった「立川文庫」によって創作されました。 個々の作品や出版された時代によって設定が違いますので、ここでは代表的なものを掲載しています。 キャラクターの一部で、16世紀の中国・明の時代に書かれた小説「水滸伝(すいこでん)」や「西遊記(さいゆうき)」から設定を取り入れたという説もあります。
武士。 武田氏を裏切って織田氏による武田氏滅亡のきっかけを作った穴山梅雪の甥です。 武田氏滅亡後、小助の父である玄蕃は特定の主を持たずに戦場を渡り歩く浪人でした。 真田幸村からスカウトされ、真田氏の家臣になります。 真田幸村と同年令で、体つきや容姿が似ているため、7人存在する幸村の影武者の筆頭として活躍します。 大坂夏の陣で家康の本陣を攻撃、原隼人(原隼人正)と戦い、壮絶な戦死を遂げます。 武田信玄の甥という設定も存在するようです。 「真田三代記」から登場しています。 穴山小助という実在の人物がいますが、物語に登場する穴山小助の設定や活躍はフィクションです。
武士。 出羽国亀田城主の息子で、母は真田昌幸の後妻と姉妹です。 亀田城が落城し浪人になった時、親戚である真田氏を頼り、家臣になりました。 真田十勇士の中で最年長です。 僧侶の姿ですが、戦いの時には18貫という重い鉄棒を振り回し、敵を倒していく豪傑です。 猿飛佐助と共に仲間集めの旅に出ました。 大坂の役では弟と共に大量の火薬を用いて、徳川父子を討とうとしましたが失敗し、切腹しました。 大坂の役の時点で90才という設定もあります。 実在した三好政康をモデルにしたと言われていますが、物語での設定は全てフィクションです。
武士。 亀田城が落城した後、由利鎌之助と共に鈴鹿山中で山賊になっていましたが、兄である三好清海入道からの誘いを受けて幸村の家臣にりました。 鉄棒、または樫に鉄筋を打った棍棒を振り回し、敵を倒していく豪傑です。 大坂夏の陣では大量の火薬を用いて、徳川父子を討とうとしましたが失敗し、切腹した後、辞世の句を詠みました。 「落ちゆかば、地獄の釜を踏み破り、あほう羅刹(らせつ)のことを欠かさん」 大坂の役の時点で86才という設定もあります。 「真田三代記」では伊三入道として登場します。 実在した三好政勝をモデルにしたと言われていますが、物語での設定は全てフィクションです。
著者:池波正太郎 池波正太郎 真田太平記館
池波正太郎(いけなみ しょうたろう) 生没年:1923(大正12)年1月25日 ~1990(平成2)5月3日 東京都台東区生まれ。小説家。
真田太平記
原作:池波正太郎 音楽:林光 真田信幸:渡瀬恒彦 真田幸村:草刈正雄 真田昌幸:丹波哲郎
2009年1月4日 ~11月22日
銀河英雄伝説のスタッフが制作 新釈 戦国英雄伝説 眞田十勇士 公式サイト